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備忘録としてのweblog

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

せっかく時間があるので小説でも書いてみようか

長い時間を持つと、欲張りになり、あれもこれもと意欲を出しながらも、結局大したことができなかったということがある。あとで、思うのはせっかくあれだけの時間があったのだから、なにか形になることでもしておけばよかったというようなことだ。 例えば、新…

希望と絶望、夜行と曙光:SFと精神の合成

ペンギンハイウェイよりも、四畳半神話体系という森見登美彦ファンも多いと思うが、ペンギンから入った森見ファンには京都の大学生ネタというのは少々しんどいのも確かだろう。では夜行を読んでみてはどうだろう? ペンギンハイウェイは爽やかで「海辺のカフ…

個人の頑張りよりもシステムの力:良きマトリックス的世界

森見登美彦氏の聖なる怠け者の冒険を読みました。タイトルのような感想を抱いたのですが、きちんと本書を読めば、もう少し(個人にも)優しい世界が広がっております。この小説は、森見的京都感と森見的SF的世界観が合致した長大な作品ですが、実はシンギラ…

孤独者のメリット:人と違うは均質化の中での生存戦略になる

孤独というのは慣れないうちは、手に負えないし、人によっては断じて避けたいことでもあるらしい。しかし、孤独の効用を唱える人も少なくない。孤独というのはとても贅沢なものでもある。特に干渉されることが嫌いな人にとっては理想的な状態だ。今ほど、人…

「頑張る」というのうは主観でしかない:マイナスからゼロは分かりやすい

マイナスからゼロに持っていく努力は、割に誰でもができる。問題がハッキリとしているからだろう。平和で一見問題のない日常を維持することは難しい。必ず一定の割合で問題が起きる。 もしくは、目をつぶっていた小さな問題が大きく膨れ上がり、もう無視でき…

とりあえず書き始めたのなら、「答え」を書いてから「はじめに」を書く

文章を日常的に書く習慣がなければ、文章を書くことは難しいかもしれない。あるいは、難しいと感じているかもしれない。なにが難しいのか。それは、始まりと終わりのある文章を書くことではないだろうか。文章を書くこと自体が難しいのではなく、文章を始め…

もし、小説を読んで自分が少しでも変化すれば、それは成功した読書体験だといえるだろう。

研究者の生き方や考え方が淡々と綴られる「喜嶋先生の静かな世界」。森博嗣の小説だ。 タイトルと呼応するように静かな物語で、大げさな描写や展開はない。いや、あるにはあるのだが、それは終盤の数ページであるし、エピローグ的な扱いになっている。やはり…